狐塚(その二)
どんな伝承か
秩父郡横瀬村横瀬(現横瀬町)の十番観音の背後の林の中に、方六間、高さ四、五尺の古塚がある。今は狐狸が住んでいるので、俗に狐塚と呼んでいる。『秩父志』は、これを日向長者の墳であろうといい、日向長者は武光氏であろうとも記している。本書の解説は、横瀬の狐塚は狐の棲み家になっているので狐塚と呼ぶというが、伝説上の狐塚は多く狐を葬ったと伝える塚をさし、狐塚は狐神を祀る祭壇であるとする。狐神はおそらく今日の稲荷の前身で、中世にはその崇拝が殊に盛んであったという。
原典より
この塚には沢山の野狐が棲んで、時々通りすがりの人々を悩ました。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成・昭和40年代刊(中巻・歴史伝説)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成・昭和40年代刊(中巻・歴史伝説))
韮塚一三郎『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』(歴史伝説の巻)を全608話・伝説(土地別の異伝)単位で収録(<解説>・[参考]・和歌・注は本文に内包)。埼玉県下の歴史伝説(塚・城址・古戦場・武将〈新田義貞・畠山重忠・太田道灌ら〉・史跡・寺社縁起等)を、所在地(市町村・字・社寺)と出典(新編武蔵風土記稿・各市町村史等)を付して体系的に集成した中巻。