縄を取っておけと言った年寄り
どんな伝承か
後月郡芳井町の三原には、五十落としと呼ばれる深い谷がある。昔、五十歳になった年寄りをここへ捨てたところで、谷底には狼がいて、落とされた者を食べたという。あるとき若衆たちが年寄りを担架に乗せ、縄で巻いて谷へ落とそうとすると、その年寄りが、縄も棒も捨てずに取っておけ、来年も使うのだからと言った。若衆たちは落とすのをやめて連れ帰り、それきりこの土地では年寄りを捨てなくなったと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。