糠屋の臼に残された蚕
どんな伝承か
九戸郡大野村の東大野に伝わる話。昔、かまくら長者という者がいて、父と娘の二人暮らしをしながら、せんだん栗毛という馬を飼っていた。姫はこの馬をかわいがって育て、馬もまた姫になつき、たがいに慕い合うようになった。それを知った長者は怒って馬を殺してしまう。悲しんだ姫は馬のあとを追う決心をし、自分がいなくなってから暮らしに困ることがあったら糠屋の臼をのぞいてほしいと言い残し、馬の皮を身にまとって天へ昇っていった。年老いて暮らしに困った長者が糠屋の桑の臼をのぞくと、中には蚕がたくさんいた。長者はこれによって再び富み栄えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第2巻』所収の「文化叙事伝説」64話(岩手・宮城・秋田)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。