悪人として憎まれる義経
どんな伝承か
アイヌの伝承では、義経はサマイクルの名で語られ、屈斜路湖のほとりでは矢の作り方や魚の釣り方、アッシの織り方を教えた恩人として敬われている。和琴半島の突端には自らの武者姿を刻んだという岩人形があり、猟に出るときや大漁の折には木幣を上げて祀られた。ところが同じ義経が、釧路の地方ではまるで違う顔で伝わる。ここでの義経はオキキリマイと呼ばれ、アイヌから宝物を奪って人びとを苦しめた大悪人として憎まれているのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第1巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第1巻』所収の「文化叙事伝説」48話(北海道・青森)を収める。各話は伝承地を市町村〜字レベルまで明記し、例話・類話・文献を備える。