家で卵を切ると茄子がならぬ
どんな伝承か
文部省の迷信調査協議会の俗信調査で、仕事や日常の禁忌に関する例として香川県財田(農村)から「家の中で卵子をきるとナスビがならない」が第一〇二例として報告された。家の中で卵を切るという行為が、畑の茄子の実りを妨げるとするものである。同じ項には奈良県治道の「砥石、草刈鎌、天秤等女の人がまたいではいけない」、鳥取県山上の「四、九の日を嫌う」「行くな十七日、帰るな二十五日といつてその日は往復を避ける」などが並び、直後には同じ財田の「朝起きにさるといえばその日は何をしても仕事が捗らない」が続いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 1――迷信の実態(文部省迷信調査協議会・日本の俗信・昭和24年(1949))
文部省迷信調査協議会『日本の俗信1―迷信の実態』(昭和二十四年)。戦後の文化国家建設を背景に、昭和二十一年から宇野圓空を委員長とし今野圓輔・森秀男・古畑正秋らの人文・自然科学者・迷信研究家が、全国の児童生徒・教師を通じて行った大規模な迷信実態調査の第一回報告。