仲の良い両寺の和尚が小僧に粉を届けさせると
どんな伝承か
この上の桂林寺の和尚と、千村の泉蔵寺の和尚は、たいへん仲がよかった。ある日、桂林寺の和尚が小僧に一升重箱に入れた粉を持たせ、千村の寺へ届けにやった。泉蔵寺の和尚は重箱の粉を空けると「早う帰れ、まごまごしていると足をおっぼるぞ」と怒り、しんばり棒を持って小僧を追いかけた。びっくりして帰った小僧が訳を尋ねると、桂林寺の和尚は、粉を持たせたのは遊びに来ないかという意味で、棒を持って追いかけたのは後を追って行くという意味だと答えた。坊さんの禅問答というところなのだろうという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史・自治体史(民俗))
『秦野市史 別巻 民俗編』所収の妖怪・伝説(一〇〇話を七分類で収載)。神奈川県秦野市に伝わる口承を採録する。