泥田に沈んだ長栄寺の梵鐘
どんな伝承か
昔、石川に長栄寺という寺があった。ある夜、高岡の青年たちがこの寺の梵鐘を盗み出したが、露見して追われ、ようやく高崎川を渡って逃げのびた。しかし力尽きてここで鐘を落としてしまい、梵鐘はたちまち泥田の底へ沈んでしまったという。いま高岡と石川の間の水田の中に、川べりでこんもりと木の茂った場所があるのがその跡で、鐘ヶ淵と呼ばれている。この一件があってからというもの、石川と高岡の男女は結ばれることがないと言い伝えられ、もし婚姻を結ぶ者があれば村八分の制裁を受けたと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史・自治体史(民俗))
『佐倉市史 民俗編』第八章口承文芸所収の伝説・怪異。千葉県佐倉市に伝わる口承を採録する。