上官の飯に入れた頭のフケ
どんな伝承か
弘前東部第五十七部隊にいた者の話である。昭和十九年の暮れから終戦後にかけて、口やかましい上官には兵たちがひそかな仕返しをした。上官のもとへ運ぶ飯に、自分の頭のふけを落として混ぜるのである。麦飯や高粱飯であれば色に紛れて気づかれることはない。食べた上官は、理由の分からぬまま下痢が止まらなくなった。上官への恨みは「フケ飯を食わせるぞ」というひと言で言い表され、兵の間で交わされたと藤井逸郎は書き残している。
原典より
部下をよくいびる上官の軍力のさやに兵隊たちが醤油をいれておいた。—— 現代民話考 ― 軍隊(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 軍隊(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 軍隊』を小話単位で全712話収録。徴兵・新兵・上官・戦地・戦争の残虐・敗戦・収容所・軍隊の怪談など、軍隊と戦争にまつわる兵士たちの現代民話を全国(一部は戦地・海外)から採集し話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明189話・市区町村判明76話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。