首塚を中心に九十九谷あり
どんな伝承か
福岡県遠賀郡遠賀村尾崎の愛嶽山には、首塚を中心として大小九十九の谷があるといわれている。古老の伝説によると、もとは百の谷があったので、弘法大師がここを霊場にしようとされたが、狐狸が自分たちの住処がなくなるのを恐れて一つの谷を隠してしまった。そのため九十九谷になったのだという。本書は九十九谷の伝説を各地から集めており、千の谷があれば霊場となるはずだったのに一つの谷が隠されたと語る型の一例である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。