厳島明神と大平山
どんな伝承か
市杵島明神は木ノ江浦に着船し、神の峯に鎮座されたが、厳島の弥山が少し高いというので同所へ遷座された。この時、大串村外浜から移動があったので、その跡である東西に明神を祭ったと伝えるが、今は白山社のみで両明神社はない。ただ明神が神の峯へ登られた時の鳥居と唱える木が一本、山麓の田の中に残っており、数百年を経て僅かに心材のみが残る。田の名にも鳥居の本という字が残っている。古くはこの辺りまで海水が湾入していたのだろうが、今は海岸から五丁ほど離れている。この木のある田に稲を挿むのに婦女は禁じられ、朽木には今も注連縄を張っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。