紫の水が流れた堀切の稲荷と薬師
どんな伝承か
田村市船引町北鹿又の字舘、黄龍舘と呼ぶ山の上には、かつて水を湛えた池があった。これを落として稲田に引こうと村を挙げて難工事にかかり、ようやく水が通ると、七日七夜のあいだ紫の色をした水が流れ出たという。そのため、美山から下って移川に注ぐ流れを紫川と呼ぶようになった。舘山には薬師と稲荷の小さな祠が並び、堀切薬師・堀切稲荷と呼ばれていたが、明治維新の廃仏毀釈で壊され、その跡地には津島神社と養蚕神社が祀られて今に至るという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
船引町史 民俗編――昔話と伝説(船引町(編)・船引町史・自治体史(民俗))
『船引町史 民俗編』第十一章所収の昔話と伝説。福島県船引町(現田村市)に伝わる口承を採録する。