三本足の鳥の血が流れた逆さ川
どんな伝承か
昔、夏に二つの太陽が現れ、旱に苦しんだ村人が森に住む行者に頼んで二十一日の祈禱を続けたが、効き目がなかった。行者がついに矢を放って一方の太陽を射ると、黒雲とともに三本足の鳥が小高い岡へ落ちた。そのとき天地がひっくり返ったように感じられたので、その岡を天倒山、あるいは天道山と呼ぶようになった。鳥の血は流れて川となり、これをしるたれといい、その流れが他の川と向きが逆であることから、さかさ川とも呼ばれた。この川はいつも白く濁っており、乳の出ない女が橋の上に豆腐を供えて祈ると験があったという。鳥の魔物を射たことから射魔、すなわち入間の地名が生まれたとも伝えられる。
原典より
昔、ある夏二つの太陽が出て、村人は旱天にて非常に困り果てた。—— 狭山市史 民俗編(狭山市(狭山市史編さん室/民俗調査担当)・昭和(昭和五十年代調査・刊行。本文に昭和五十三〜五十四年の採集記載)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
狭山市史 民俗編(狭山市(狭山市史編さん室/民俗調査担当)・昭和(昭和五十年代調査・刊行。本文に昭和五十三〜五十四年の採集記載))
『狭山市史 民俗編』のうち「五 伝説・昔話・世間話」を収録した一次資料。昭和五十年代に堀兼・入間・奥富・柏原・水富・入間川の各地区で座談会・聞き取り調査を行い、明治〜大正生まれの古老から採集した口承文芸を、見出しごとに原文に近い形で記録する。