山嵐の怪(唐犬と怪物の相討ち)
どんな伝承か
今から二百年ほど前、筑前宗像郡本木村の百姓権兵衛の屋敷に怪物が忍び込み、床下に物を引きずり込むような音を立て、妻は恐ろしい夢にうなされて狂乱するようになった。黒田藩に届け出て鉄砲組・弓組と国主秘蔵の唐犬山嵐を出動させたが討ち漏らし、志賀茂平の案で土蔵に妻を隠して罠を張ったところ、二晩目に妻の姿が消え、山嵐が床下で何かと激しく噛み合った。翌朝、村人も知らなかった狐の穴の前で山嵐と怪物が相討ちで倒れているのが見つかり、祟りを恐れて祠を建て霊を慰めたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
炉辺叢書 筑紫野民譚集(及川儀右衛門・大正(大正12年・1923年))
大正12年刊、及川儀右衛門が筑紫野(筑前・筑後・肥前・豊前・豊後・肥後の北部九州)で2年間に故老や下宿の婆さん、教え子から聞き集め文献に照らしてまとめた民譚集。序と全六章(一河童・二怪火・三長者・四神事及び歌舞・五山の神秘水の伝奇・六怪異)から成る。